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Health Jobs Journal医療職の職場えらびノート

編集・運営クーラ編集部

リハビリ職

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の職場えらび。「病院勤務」の中身を分けて考える

同じ「病院勤務」でも、急性期と回復期ではリハの時間の流れが違います。PT・OT・STそれぞれの職場の分布と、1人職場かどうかを見学で確かめる理由。

文・クーラ編集部··約6分で読めます

この記事の要点

  • 日本理学療法士協会の会員の勤務先で最も多いのは急性期病院(24,101人)、次が回復期リハビリテーション病棟(19,102人)です(2026年3月末)。
  • 作業療法士は精神科の比重が大きく、病院で働くOTの14.3%は精神科病院に勤めています(PTは0.5%)。
  • 言語聴覚士の国家試験合格者は累計44,817人で、PT・OTよりずっと少ない職種です。1人職場かどうかは見学で必ず確かめたい点です。
  • 賃金統計はPT・OT・ST・視能訓練士の合算で、月給と賞与から編集部が換算した年収は約444万円、パートの時給は1,993円(2025年)です。
目次(6)
  1. PTはどこで働いているか
  2. OTとSTは、PTと少し違う
  3. 職場ごとの違いを、3つの軸で見る
  4. 給与と需給は「合算」の数字で見る
  5. 2026年に変わったこと
  6. 見学・お試し勤務で確かめたいこと

リハ職の求人を見ていると、「病院勤務」という言葉がよく出てきます。けれど、急性期の病棟でベッドサイドから離床を進める一日と、回復期の病棟で退院後の生活を見すえて練習を重ねる一日は、同じ「病院勤務」でもまったく違います。

この記事では、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が実際にどこで働いているのかを職能団体と厚生労働省の統計で確かめ、職場を選ぶときの見方を整理します。

PTはどこで働いているか

日本理学療法士協会の会員の勤務先(2026年3月末、休会者を除く)を、主なものだけ抜き出すと次のようになります。

出典: 日本理学療法士協会「統計情報」(2026年3月末現在)
勤務先会員数
病院 急性期24,101人
病院 回復期(回復期リハビリテーション病棟)19,102人
診療所(無床)9,169人
病院 高度急性期5,602人
介護老人保健施設5,380人
訪問看護ステーション4,996人
病院 回復期(地域包括ケア病棟)3,811人
病院 慢性期(療養病棟)3,126人
通所リハビリテーション1,629人
訪問リハビリテーション1,142人

急性期が最も多く、回復期リハビリテーション病棟が続きます。同じ協会の統計では、会員の勤務先を人数の規模で分けると、「1人職場」の施設がいちばん多いという結果も出ています。クリニックや介護施設では、PTが1人か2人ということも珍しくありません。

協会の会員は有資格者の一部(国家試験合格者の累計247,546人に対し、会員は144,943人)なので、全体の分布とぴったり同じとは限りません。

OTとSTは、PTと少し違う

作業療法士:精神科の比重が大きい

厚生労働省の医療施設調査(2023年10月、常勤換算)によると、病院で働くOTは50,304.4人で、そのうち7,176.5人(14.3%)が精神科病院に勤めています。PTでは精神科病院の割合は0.5%です。日本作業療法士協会の会員統計でも、会員が主に担当する疾患は、脳血管疾患(45.2%)に次いで統合失調症等(10.1%)が多くなっています。同じOTでも、身体・精神・発達・老年期のどの領域かで、仕事の中身はまったく変わります。

言語聴覚士:人数が少なく、嚥下の仕事が大きい

STの国家試験合格者の累計は44,817人(1999年の第1回から2026年の第28回まで)で、PT・OTよりずっと少ない職種です。ことばの訓練や聴覚に加えて、摂食嚥下(飲み込み)の訓練も担い、高齢化の中で嚥下の需要は大きくなっています。2026年2月の国家試験の合格率は66.4%で、PT(89.7%)・OT(91.2%)より低めでした。

出典: 厚生労働省「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」(2024年)、日本作業療法士協会「2024年度 会員統計資料」(2025年)、日本言語聴覚士協会「会員動向」(2026年)、厚生労働省 各国家試験の合格発表(2026年)

職場ごとの違いを、3つの軸で見る

編集部の整理。職場ごとの傾向で、個々の職場に当てはまるとは限りません
職場リハの時間の流れ見学で確かめたいこと
急性期病院発症・手術の直後から。入院が短く、関わる期間も短い担当する診療科、早期離床の進め方、病棟との連携
回復期リハ病棟数週間〜数か月、退院後の生活に向けて練習を重ねる1日の担当件数、土日祝の出勤(365日体制か)、PT・OT・STのチーム体制
クリニック(無床)外来で通ってくる人に継続して関わる同じ職種の人数、1日の担当人数、物理療法の割合
介護施設(老健など)生活の場で、機能の維持や在宅復帰を支える1人職場かどうか、介護職・看護職との役割分担
訪問(訪問看護ST・訪問リハ)自宅で、生活そのものを見ながら関わる1日の訪問件数、移動手段、所属が訪問看護STか訪問リハ事業所か

給与と需給は「合算」の数字で見る

リハ職の給与について、公的な統計はPT・OT・ST・視能訓練士を合わせた数字しかありません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)では、フルタイムの人の月給(きまって支給する現金給与額)は309.9千円、年間賞与は717.2千円でした。月給×12+賞与で編集部が換算すると、年収は約444万円です(公式の年収統計ではありません)。平均年齢は36.2歳。パートの時給は1,993円でした。

需給は、見る数字によって印象が変わります。ハローワークの「医療技術者」(リハ職のほか、検査技師・放射線技師・歯科衛生士などを合わせた分類)の有効求人倍率は3.08倍(2025年度)と高い一方、国の推計では、PT・OTの供給は2040年ごろに需要の約1.5倍になるとされています(2022年の報告)。地域や分野(訪問・介護・小規模施設など)によって状況が違うと考えられますが、分野別の求人倍率は公表されていません。

出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年)、厚生労働省「一般職業紹介状況」(2026年)、厚生労働省「理学療法士・作業療法士需給分科会 これまでの議論の経過と報告」(2022年)

2026年に変わったこと

  • 訪問リハの処遇改善:2026年6月の介護報酬の改定で、訪問リハビリテーションが初めて介護職員等処遇改善加算の対象になりました(加算率1.5%)。訪問看護も対象になっています(1.8%)。
  • ベースアップ評価料:2026年度の診療報酬改定で、病院・診療所の賃上げのための評価料の対象が職員全体に広がりました。

どちらも、事業所が届け出ているか、給与にどう反映しているかは職場ごとに違います。見学のときに聞いてみてください。

出典: 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」(2026年)、厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 1.賃上げ対応」(2026年)

見学・お試し勤務で確かめたいこと

  • 病棟・事業所の機能急性期・回復期・地域包括ケア・療養のどれか。同じ病院でも病棟で中身が違います。
  • 同じ職種が何人いるか1人職場なら、困ったときに誰に相談できるか。新人やブランク明けなら指導の体制。
  • 担当する領域OTなら身体・精神・発達・老年期のどれか。STなら成人の嚥下・失語か、小児の発達・聴覚か。
  • 他職種との連携STなら管理栄養士・歯科衛生士との食形態や口腔ケアの連携。嚥下の検査に関われるか。
  • 休日の出勤土日祝の出勤の有無と頻度。
  • 訪問の働き方1日の訪問件数、移動手段、雨の日の移動。

職種に関係なく確かめたいことは、見学・お試し勤務のチェックリストにまとめています。

データについて

PTだけ、OTだけ、STだけの就業者数・求人倍率・賃金の公的な統計はありません。職能団体の会員統計は会員だけの集計で、有資格者全体の姿とは違う可能性があります。リハ職だけの離職率も、公的な統計は見当たりませんでした。

出典・参考資料

  1. 統計情報(2026年3月末現在)(日本理学療法士協会、2026年)
  2. 2024年度 日本作業療法士協会 会員統計資料(日本作業療法士協会、2025年)
  3. 会員動向(2026年3月31日現在、国家試験合格者数を含む)(日本言語聴覚士協会、2026年)
  4. 第28回言語聴覚士国家試験の合格発表について(厚生労働省、2026年)
  5. 令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況(厚生労働省、2024年)
  6. 令和7年賃金構造基本統計調査(厚生労働省、2026年)
  7. 一般職業紹介状況(令和7年度分・令和8年7月分)(厚生労働省、2026年)
  8. 理学療法士・作業療法士需給分科会 これまでの議論の経過と報告(厚生労働省、2022年)
  9. 令和8年度介護報酬改定の概要(厚生労働省、2026年)

この記事は2026年9月25日時点で確認できた資料にもとづいて書いています。制度や数字は変わることがあります。手続きや判断の前に、勤務先・税務署・年金事務所・自治体などの最新の案内をご確認ください。

この記事を書いた人

クーラ編集部

見学・お試し勤務で職場を選べるサービス「クーラ」の編集チームです。厚生労働省や日本看護協会などの公的な資料を読み、医療職の職場えらびに役立つことを書いています。数字には出典を、制度には「いつから」を添えます。わからないことは、わからないと書きます。

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