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Health Jobs Journal医療職の職場えらびノート

編集・運営クーラ編集部

職場えらび

看護師の職場は、同じ「病院」でもまるで違う。9つの職場と向いている人

一般病床の平均在院日数は15.5日、精神病床は255.0日。同じ「病院勤務」でも、患者と過ごす時間の長さがまるで違います。9つの職場を、夜勤と人員の基準から見比べます。

文・クーラ編集部··約8分で読めます

この記事の要点

  • 就業している看護師のうち65.7%が病院で働いています(2024年末)。ただし病院の中でも、急性期・回復期・療養・精神科で働き方は大きく違います。
  • 一般病床の平均在院日数は15.5日、療養病床は117.4日、精神病床は255.0日(2024年)。患者と関わる時間の長さが違います。
  • 無床クリニックは夜勤がないのが基本です。訪問看護は夜間オンコールが基本で、特養は看護職員が少なく、医療面の判断を担う場面が多くなります。
  • この記事の「向いている人」は編集部による一般的な整理で、研究にもとづく評価ではありません。自分に合うかどうかは、見学やお試し勤務で確かめるのが確実です。
目次(3)
  1. 比べるときの物差しは3つ
  2. 9つの職場を見比べる
  3. 「向いている」を決めつけないために

「病院で働いていました」と聞いても、その人がどんな毎日を送っていたかはわかりません。急性期の病棟と療養病棟、精神科病棟では、患者と過ごす時間の長さも、夜の過ごし方も、まるで違うからです。

厚生労働省の衛生行政報告例によると、2024年末に就業している看護師1,363,142人のうち、895,944人(65.7%)が病院で働いています。看護師の3人に2人は病院にいる計算です。ただ、この記事で伝えたいのは、その「病院」の中身が一つではないということです。

出典: 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2025年)

比べるときの物差しは3つ

職場を比べるとき、編集部は次の3つを物差しにしています。

  1. 患者と関わる時間の長さ:平均在院日数(入院してから退院するまでの平均日数)でおおよそわかります。
  2. 夜の体制:夜勤があるか、オンコール(電話で待機し、必要なときに駆けつける)か、夜はないか。
  3. 看護職の人数:法令や診療報酬の基準で決まる最低限の人数。職場の中で看護職が多数派か少数派かも変わります。
病床の種類と平均在院日数(2024年)。出典: 厚生労働省「令和6(2024)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」(2025年)
病床の種類平均在院日数イメージ
一般病床15.5日入退院が速く、1人の患者との関わりは短い
療養病床117.4日数か月単位で同じ患者を看る
精神病床255.0日さらに長い時間軸で回復や地域移行を支える

9つの職場を見比べる

1. 急性期病院(一般病棟)

病院病床の59.9%を占める一般病床の中心です。入退院が速く、処置や急変対応が多い職場です。診療報酬の「7対1」は、入院患者7人に対して看護職員1人以上を常に置くという基準で、看護師の割合7割以上、平均在院日数16日以内などとセットになっています。2026年6月からは、救急搬送や全身麻酔手術の件数で病院の機能を評価する「急性期病院一般入院基本料(急性期病院A/B)」も新しくできました。

病棟には夜勤があり、各病棟の夜勤は原則2人以上です。

向いている人(編集部の整理)
  • 短い期間で多くの症例を経験し、処置や急変対応の力を伸ばしたい人
  • 多職種・多部署と頻繁に連携するのが苦にならない人
  • 夜勤を含む交代制勤務に対応できる人

2. 回復期・慢性期の病棟(回復期リハ・地域包括ケア・療養)

急性期の治療を終えた人の在宅復帰や、長期の療養を支える病棟です。看護配置は急性期より少なく、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟は13対1など、療養病棟は看護職員20対1と看護補助者20対1です。そのぶん、看護補助者やリハ職と一緒に働く比重が大きくなります。療養病床の平均在院日数は117.4日(2024年)です。

向いている人(編集部の整理)
  • 数週間〜数か月かけて、回復や生活の変化を見届けたい人
  • リハ職・介護職・医療ソーシャルワーカーと一緒に「生活」を組み立てる仕事が好きな人
  • 急性期のスピードより、落ち着いた環境で全身管理や看取りに向き合いたい人

3. 精神科病院

精神科病院は1,057施設、精神病床は316,147床で、病院病床の21.5%を占めます(2024年)。平均在院日数は255.0日で、一般病床とは桁が違います。精神科救急の病棟と長期療養の病棟では働き方が大きく違い、医療保護入院や隔離・身体拘束などの行動制限といった、精神保健福祉法にもとづく業務も日常に入ってきます。

向いている人(編集部の整理)
  • 処置よりも「関わり」や「対話」で患者を支える看護に関心がある人
  • 医師・精神保健福祉士・作業療法士・公認心理師とチームで方針をそろえる働き方が合う人

4. クリニック(診療所)

一般診療所は105,207施設で、94.9%は入院ベッドのない無床診療所です(2024年10月)。無床クリニックは夜勤がないのが基本です。診療所で働く看護師は194,665人、准看護師は76,541人で、准看護師にとっては最も多い就業場所です(2024年末)。内科・小児科・皮膚科・整形外科など診療科で仕事の中身が大きく変わり、透析や内視鏡のように特定の技術を深められるところもあります。

入院ベッドのある有床診療所では、入院患者がいる限り夜間の看護体制が必要になります。

向いている人(編集部の整理)
  • 夜勤なし・日勤中心で働きたい人(子育て・介護との両立、ダブルワーク)
  • 地域の患者と長く付き合う外来看護に関心がある人
  • 少人数の職場で、受付や医療事務と近い距離で働くのが苦にならない人

5. 訪問看護ステーション

18,042事業所(2024年10月)で、前の年から9.9%増えました。人員基準は「看護職員を常勤換算2.5人以上」で、1事業所あたりの看護職員は常勤換算5.8人と小さな組織です。夜間・休日はオンコール(電話対応と必要時の緊急訪問)が基本です。2024年度の報酬改定で、夜間に対応した翌日の勤務間隔を確保するなど「負担軽減の取組」をしている事業所を高く評価する区分ができました。

ナースセンターのデータでは、訪問看護ステーションの求人倍率は4.54倍で、施設の種類の中で最も高い水準です(2024年度)。

向いている人(編集部の整理)
  • 1人で訪問し、その場で観察・判断・報告することに抵抗がない人
  • 利用者や家族と長く関わる、生活に寄り添う看護をしたい人
  • 運転や移動を苦にしない人。オンコールの回数を家庭の事情と調整できる人

6. 介護老人保健施設(老健)

在宅復帰と在宅療養の支援を目的とする介護保険施設です。4,214施設(2024年10月)。医師を常勤換算で置く点が特養との大きな違いで、看護・介護職員は入所者3人に1人以上、そのうち看護職員は7分の2程度が標準です。入所者の平均要介護度は3.17で、リハビリと退所支援の比重が大きい職場です。

向いている人(編集部の整理)
  • 急性期と在宅の中間で、リハビリと生活の立て直しに関わりたい人
  • 医師がいる環境で、病院ほど処置が多くない職場を探している人

7. 特別養護老人ホーム(特養)

8,621施設(2024年10月)。入所者は原則として要介護3以上で、平均要介護度は3.92。医療機関ではなく「生活の場」です。看護職員の最低人数は入所者数で決まり、たとえば51〜130人の施設で3人(常勤換算)。医師は「必要な数」の配置医師でよいため、医療面の観察や判断の多くを看護職員が担います。夜間は基準上、看護職員の夜勤が必須ではなく、オンコールで対応する形が多いとされています(その割合の公的な統計は見当たりません)。

向いている人(編集部の整理)
  • 長く暮らす入所者の生活を支える看護をしたい人。看取りまで関わりたい人
  • 少人数の看護職として、介護職員や相談員と対等に連携できる人

8. 健診センター

ナースセンターの求職者が希望する施設の種類で、無床の診療所、20〜199床の病院に次ぐ3番目です(2024年度)。夜勤はありません。1日に多くの採血をするため採血の手技が求められ、健診車で事業所を回る巡回健診では早朝の集合や出張があることもあります。健診センターで働く看護師だけの公的な統計は見当たりません。

向いている人(編集部の整理)
  • 日勤のみ・土日休み(施設による)を重視する人、ブランク明けの人
  • 同じ業務を正確に繰り返すことが苦にならない人

9. 企業(産業保健)

企業などの事業所で働く看護職は、保健師5,045人、看護師5,879人、准看護師1,066人(2024年末)。看護師全体の0.4%で、求人は多くありません。健康診断のあとの保健指導やストレスチェックの実施者として法律に明記されているのは「保健師」で、看護師がストレスチェックの実施者になるには所定の研修が必要です。夜勤は原則としてありません。

向いている人(編集部の整理)
  • メンタルヘルス対策や、治療と仕事の両立支援に関心がある人
  • 1人配置でも、自分で仕事を組み立てられる人

「向いている」を決めつけないために

ここまでの「向いている人」は、編集部が一般的に整理したものです。研究で確かめられた適性ではありません。実際には、同じ訪問看護でも事業所によってオンコールの回数はまったく違いますし、急性期の病棟でも落ち着いた雰囲気のところはあります。

職場の種類で候補を絞ったら、次は一つひとつの職場を見に行く番です。夜勤の人数、休憩室、記録のやり方、同じ働き方の先輩がいるか。見るべきところは見学・お試し勤務のチェックリストにまとめています。

数字について

施設数・病床数は厚生労働省の医療施設調査と介護サービス施設・事業所調査、就業者数は衛生行政報告例、人員の基準は各省令と2026年度の診療報酬の告示によります。求人倍率は日本看護協会がナースセンターの登録データを分析したもので、世の中の求人全体の倍率ではありません。

出典・参考資料

  1. 令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(厚生労働省、2025年)
  2. 令和6(2024)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況(厚生労働省、2025年)
  3. 令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況(厚生労働省、2024年)
  4. 令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況(厚生労働省、2025年)
  5. 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第70号)(厚生労働省、2026年(2026年6月1日適用))
  6. 医療法施行規則 第19条(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年9月確認)
  7. 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準/介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準/指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令検索(デジタル庁)、2026年9月確認)
  8. 2024年度 ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析(日本看護協会、2025年)

この記事は2026年9月25日時点で確認できた資料にもとづいて書いています。制度や数字は変わることがあります。手続きや判断の前に、勤務先・税務署・年金事務所・自治体などの最新の案内をご確認ください。

この記事を書いた人

クーラ編集部

見学・お試し勤務で職場を選べるサービス「クーラ」の編集チームです。厚生労働省や日本看護協会などの公的な資料を読み、医療職の職場えらびに役立つことを書いています。数字には出典を、制度には「いつから」を添えます。わからないことは、わからないと書きます。

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